R2年 小学生クラス説明会

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園長からのメッセージ

シリーズ6 2010年6月発信

ついこの間新年度が始まったかと思ったら、もう6月。今年も折り返し点に差し掛かりました。6月11日からは4年に一度のサッカーの祭典、ワールドカップ南アフリカ大会が始まります。日本の文化にはサッカーは根付いていませんので熱狂的な盛り上がりにはなかなか至りませんが、世界中でもっともポピュラーなスポーツがサッカーで、ワールドカップはオリンピック以上の人気があります。ブラジルの人々は4年間このワールドカップのために働いてお金を貯め客船をチャーターして一ヶ月の休暇をとって観戦します。時差の関係で試合の多くは日本時間の真夜中に行われ、寝不足の一ヶ月を過ごす方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はこのサッカーをモンテッソーリ的に見るところから始めましょう。

国によって異なるサッカースタイル
同じ大きさのボールを同じ広さのピッチ(サッカーグラウンド)で、同じ人数でゴールを競い合うサッカーも国によってそのスタイルがずいぶん異なります。この違いは環境による影響が色濃く出ます。
サッカーの母国であるイングランドをはじめとするヨーロッパの国々は体格も大きく、筋力も強い選手がそろっています。広々とした平地も多くあり、その強い脚力を活かしてロングパスやロングシュート、はたまたロングパスを長身を利した選手がヘディングでゴールに叩き込むといったスタイルが主流です。それに対して、ブラジル、アルゼンチンを代表とする南アメリカ大陸の国々のサッカーは異なります。まず選手の体格もヨーロッパの選手ほど大きくありません。ブラジルのサッカーの王様と呼ばれるペレも170センチそこそこの身長しかありませんし、アルゼンチンのマラドーナという往年の名選手(今回はアルゼンチンチームの監督です)に至っては165センチほどです。彼らは足技を巧みに駆使し、短く細かなパスをつなぎながら最後はちょこんとゴールに押し込んだり、流し込んだりするサッカーをします。これは子どもの頃から狭い路地で多くの子どもが集まってボールを蹴りあっている間に培われる足技の妙技を武器としたサッカーです。
このように同じサッカーでも環境によってそのスタイルが大きく変わります。サッカーの環境がまだそれほど整備されず、文化として根付いていない日本には残念ながら独自のスタイルがまだありません。これから長い時間を掛けて熟成していかなければなりません。

子どももサッカーと同じように環境が大きな影響を与える
サッカーも子どもも共通点があることにお気付きでしょうか。環境が大きく影響を与えるという点です。そして、その環境いかんでその子らしさが表れるという点です。モンテッソーリは非常に環境を重視しますが、もちろん遺伝的な素因も子どもの育ちに大きな影響を与えます。前回もお話しましたように、この二つは密接な関係にあります。遺伝的素因にスイッチが入るかどうかが環境によって左右されるということでした。また、持って生まれた素質は遺伝的素因です。同じ環境でサッカーのトレーニングを同じように積み重ねていっても同じ上達度を示すわけではありません。一方はワールドカップで大活躍するような選手になり、もう一方は草サッカーで終わるかもしれません。しかし、環境は整っているに越したことはありません。子どもの幸せは持って生まれた能力(素質)が環境と相まって100%に近く発揮されることです。そして、そのためには素質だけではなく、「やる気」つまり、意欲が必要不可欠です。いくら素質があっても本人にやる気がなければその素質は花開きません。モンテッソーリ教育を通じて子どもが育てるのはこの「意欲」です。

大人の役割
 これも前回お話しましたように、子どもの意欲が育つ接し方の最重要ポイントは「肯定的な接し方」でした。今回はもう少し異なる角度で子どもへの接し方を見ていきましょう。
 私達大人に必要な姿勢は、子どもの伸びていこうとする力を信じ、直接教え込んだり、押し付けたりするよりも環境を構成し、間接的に子どもを援助するような姿勢です。また、ただ単に子どもの姿を受け入れて、全てを子ども本位に考えるのではなく、「いけないことはいけない」、「お約束はお約束」として、きっぱりと立ち向かう姿勢も重要です。何かを伝えたいときには、ことばでわからせようとしたり、注意したりするだけではなく、実際に行動を通して伝えることが重要です。つまり、子どもの行動のモデルとしての生きる姿勢を示すことです。
・ ちゃんとしなさい。
・ もっと前に出なさい。
・ しっかり持ちなさい。
 このような指示はあいまいで子どもには理解されません。もっと具体的な指示を与える必要があります。

モンテッソーリの「子どもに対する心得」

 モンテッソーリは子どもに接するときの心得を12か条にしてまとめてあります。参考にして子どもと接していきましょう。
  1. 子どもに必要とされている時だけ子どもと関わりましょう。
  2. 子どものいるところだけでなく、いないところでも子どもの悪口を言ってはいけません。
  3. 子どものよいところを見つけ、そこを強くしていきましょう。
  4. 物の正しい扱い方を教え、それらがいつもどこに置いてあるかを示しましょう。
  5. 大人は、子どもが環境と交流を始めるまでは積極的に子どもと関わり、子どもが環境と交流し始めたら消極的になりましょう。
  6. 大人は、子どもの要求に対して、たとえそれができなくても、聞く耳はいつも持っていなければいけません。
  7. 大人は、子どもの誤りを直接指摘し直させる必要はありませんが、子ども自身や他の子どもを傷つけたり、危険がある時はすぐにやめさせなければいけません。
  8. 子どもが休んでいる時、何もしないように見えても何かをじっと観察しているのかもしれません。そういう時に何かをやらせようと強要してはいけません。
  9. やりたいことが見つけられずに困っている時には一緒に探してあげたり、新しいものを見せてあげたりしましょう。
  10. 大人は、新しいもののやり方を(前に子どもは拒んだ時があったとしても)繰り返し、繰り返し、忍耐強く見せるように心掛けましょう。その時に、ことばで教えようとしないで、動作を見せることに専念しましょう。
  11. 子どもを信じ、できるようになるのを待ってあげましょう。
  12. 子どもを、親の従属物としてではなく、一個の人格を持った人間として接しましょう。



お 知 ら せ

園長松浦公紀が、東京の吉祥寺子どもの家の百枝義雄先生と共に作成した0歳~3歳の子どものためのDVDが完成間近となりました。6月中は先行予約特典があります。お母様やお父様、保育園や幼稚園の先生、どなたにもご覧いただける分かりやすい内容です。実際に0歳~3歳の子どもが出演しています。
 3歳~6歳を対象とした「モンテッソーリ教育に学ぶ子どもの見方」(DVD14枚セット)も好評発売中です。お問い合わせは052-702-8808まで。




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