モンテッソーリ教育講演会を開催いたします。子どもの家のモンテッソーリ教育が目指すことや必要性をお話しし、「すべての大人が同じスタンスで子どもに接することでよりよい成長を」という目的での講演会です。説明会へのお申し込みはこちらから H30年 モンテッソーリ教育講演会

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園長からのメッセージ

シリーズ3 2009年9月発信

今年の夏は不順な天候でしたが、お子様達とよい思い出作りができたでしょうか。夏休みに家族と作った思い出は一生の宝になります。自分が子を持つ親になったときに、子どものときに楽しかったことをわが子にも伝えようとします。こういうことは世代間で連鎖していきます。私たち大人の役割はこの連鎖をマイナスではなく、プラスの良い連鎖にしていくことです。
私個人にとっての夏は7、8月の2ヶ月間を意味します。この期間モンテッソーリの研修、講習会が集中的に行われます。私にとっては一年でもっとも多忙な時期です。今年も北は北海道から南は台湾にまで出向き、大いに刺激を受けた夏でした。

シリーズ第3回目としての今回はその台湾でのお話をしましょう。

8月14日から台湾の台北でモンテッソーリの国際大会が開催されました。テーマは、「アジアにおける、アジアのためのモンテッソーリ教育」です。

「我々アジアのモンテッソーリの仲間はさまざまなことをモンテッソーリ教育の先進国であるアメリカから学んでいる。しかし、文化的な背景が異なるアジアにおいてはそれをそのままの形では適用できないケースにも当然出会う。アジアにはアジアのモンテッソーリの取り入れ方があるのではないだろうか。デジタル化され、非常に狭くなったこの世界においてグローバル化は避けられない事実であるのならば、アジアの同胞が手を取り合ってモンテッソーリのいっそうの普及のための組織を立ち上げる必要があるのではないだろうか。」

これがこの大会の意図することです。ヨーロッパにはすでに「モンテッソーリ・ヨーロッパ」という団体が立ち上げられ活動を行っています。時代の流れとしては、「モンテッソーリ・アジア」が数年の内に立ち上がるでしょう。各大陸ごとに各国が集う連合や団体が出来上がっていくことでしょう。そして、それらが団結して地球規模でモンテッソーリ教育が普及していくことでしょう。

私は、常々教育に携わる者にとって必要なことは視野の広さだと思っています。自分の今いる範囲だけではなく、もっともっと広い視点でモンテッソーリ教育を眺めることができたときに初めてわかることが数多く存在するはずです。そういった意味からも、モンテッソーリ教育を学んだり、語ったりすることのできる場は一つでも多くあった方が良いと思います。

日本からはお盆の時期とも重なり、事前の告知もあまり行き届いていなかったようで、今回は私ひとりの参加でしたが、韓国からは30名ほどのグループでの参加がありました。地元台湾のほかには、中国、マレーシア、シンガポール、ベトナム、タイ、インド、ロシア、オーストラリア、カナダ、アイルランドからの参加がありました。今回の大会は台湾のモンテッソーリ団体が、AMS(American Montessori Society)という世界最大のモンテッソーリ組織と共催の形で開催されました。したがって、AMSからも会長初め10名程が集いました。

アメリカでモンテッソーリ教育を学んだ私としては、彼らはみな恩師です。台北滞在中のほとんどの時間を彼らと過ごしたのですが、いつもながら、アメリカ人の話し方や態度は陽気で明るいことに驚きます。アメリカ人のこういった態度の背景にあるのが「ポジティブ・シンキング」という思考法です。「ポジティブ」とは、「前向き」とか、「肯定的」という意味です。思考法といっても、一人ひとりが黙って前向きにがんばるということではありません。アメリカ流のポジティブは、人と人とのコミュニケーションの部分に発揮されます。集団の中で、あるいは対人関係の中でとにかく前向きに、肯定的に振舞う。そして、そのことが社会全体を活性化し、明るくするといったところでしょうか。朝会うと、「おはよう。今日もいい天気だね。明るい太陽を見ると元気になるよ。ところで、今日もすてきなネクタイしているじゃないか。スーツの色ともよく合っているね。」というようにともかくほめるのです。日本人にとっては、最初は何となく軽薄に感じることもあるかもしれませんが、ほめられて嫌な気持ちがする人はいません。「ポジティブなムード」がさっと出来上がります。

ネガティブ(否定的)になりそうな場面でもポジティブ・シンキングは大いに発揮されます。アメリカ人は「困難」に直面すると、それを「困難」とはあまり言いません。その代わりに「チャレンジ(挑戦)」「チェンジ(変革)」ということばをよく用います。

大人だけではありません。子どものリトルリーグでは、空振りで三振してきた子どもに、「ナイス・スイング!(いい振りだったぞ)」と言ってコーチや親は満面の笑顔で褒め称えます。そのような大人の姿勢を見ている内に、子ども達も他人に対して「肯定的」に、「前向き」に接することを当然のこととして身に付けていくことができるのです。人的な環境である大人の態度が子どもに影響を与えるというモンテッソーリの理論の実証の場の一つでもあります。

こうやって、ポジティブな考え方ができ、他人に対して肯定的に接することができる人たちがアメリカではモンテッソーリの指導者になっています。ですから、彼らと話しているととても気持ちいいのです。いつの間にか自分の持っているものをいつも以上に引き出してくれるのです。ポジティブに生きていくことは、自分の有能感を感じさせてくれることです。前回お話したように、子どもには生まれながらに「自己教育力」が存在します。この自己教育力が整備された環境に注がれれば、子どもは自ずと正常化に向けて育っていきます。ポジティブ・シンキングとは、この子どもの自己教育力をフルに発揮させるためのテクニックでもあるのです。実際に、アメリカのモンテッソーリ教育の研修会では頻繁に“positive ~”(肯定的~)と名の付く研修が行われています。

地球を相手にモンテッソーリを語る人たちは決して愚痴を言ったり、人をなじったり、非難したりしません。ポジティブに生きていくことはみんなが幸せになることだということを実感した夏でした

8月11日、静岡では結構大きい地震がありました。そのことをポジティブ・シンキングの実践者であるアメリカ人の先生に伝えたところ、「棚から落ちて壊れた教具を新しい教具と入れ替える良いチャンスに恵まれたわね。」の一言が笑顔と共に返ってきました。



モンテッソーリ図書 新刊のご案内
 子どもの家園長松浦公紀がアメリカのモンテッソーリ教育界の権威、マリーン・バロン博士との共著で出版されたモンテッソーリ教育では中核的な位置づけがされる「感覚教育」についての本です。松浦学園子どもの家全日クラスで子ども達が感覚教具を用いて活動している写真が多数掲載されています。

「感じる・目覚める・育つ」 
モンテッソーリ「感覚」教育の新たなる実践

松浦 公紀 
マリーン・バロン 

出版:学研
発行年月:2009・8
税込価格:2,940円



本書は、今、モンテッソーリ教育の現場にいる教師たちに大きな示唆を与え、そして確固たる道しるべともなり、モンテッソーリを知りたい!もっと知りたい!発展させたい!あなたの必読の書。




新着情報
シリーズ 23 : 2017年07月 モンテッソーリ教育現場では子どもの協調性や社会性は育たないのか⁈

シリーズ 22 : 2017年01月 新しい教師(大人)と新しい人間(A New Man)
シリーズ 21 : 2016年07月 子どもの可能性を最大限に引き出す
シリーズ 20 : 2016年01月 ウィリアム王子、モンテッソーリ・スクール入園
シリーズ 19 : 2015年07月 今だからこそ「平和」について考える
シリーズ 18 : 2015年04月 モンテッソーリ教育は子どもの心に火をつける
シリーズ 17 : 2015年01月 これから子どもが生きていく社会と望まれる教育
シリーズ 16 : 2014年09月 2014モンテッソーリ・アジア東京大会が無事終了しました
シリーズ 15 : 2013年11月  モンテッソーリ・アジア大会が日本にやってくる!
シリーズ 14 : 2013年05月 小学生のモンテッソーリ教育
シリーズ 13 : 2013年01月 1907年1月6日はモンテッソーリ教育のお誕生日です。
シリーズ 12 : 2012年09月 8月31日はマリア・モンテッソーリのお誕生日です
シリーズ 11 : 2012年05月 モンテッソーリは世界の共通語
シリーズ 10 : 2011年12月 「子ども中心」と「子どもの言いなり」の違い
シリーズ 9 : 2011年09月 アジアのモンテッソーリの仲間との再会
シリーズ 8 : 2011年05月 東日本大震災に思うこと
シリーズ 7 : 2011年01月 幼児期に身に付けなければいけこと
シリーズ 6 : 2010年06月 サッカーとモンテッソーリ教育~子どもに対する心得~
シリーズ 5 : 2010年02月 春の訪れと子どもの巣立ち
シリーズ 4 : 2009年12月 男の子と女の子の違い
シリーズ 3 : 2009年09月 Positive Thinking (前向きな発想)
シリーズ 2 : 2009年06月 自己教育力
シリーズ 1 : 2009年04月 子ども達の生きる社会
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