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シリーズ1 2009年4月発信
第1回の今回は、「子ども達が生きる社会についてお話をしてまいりましょう。題して「子ども達の生きる社会」です。
今の子ども達が大人になった時に、どんな社会が待ち受けているか想像してみましょう。
社会そのものは、刻一刻と変化していきます。しかも現代ではその変化がめまぐるしい速さで動いています。子ども達が生きる社会は私達が育ったときの社会とは違います。今、幼児期の子ども達は40歳になるまでに10~14の職業を経験すると言われています。しかも、それらの職業の多くは、今現在存在しまい職業だと言われます。私達は、私達が想像もできない新しい仕事をしていくであろう子ども達と接しているのです。ということは、私達が経験してきたことを子ども達に伝達するだけでは不十分だということです。
現代の社会は、デジタル化社会です。パソコンや携帯電話でのメールのやりとりや、インターネットによる検索。デジタルカメラ、テレビもアナログからデジタルへと変わります。デジタル化された社会では、膨大な量の情報が行き交います。1日に送受信されるメールの総数は地球の人口である65億以上。1,500冊以上の新しい本が毎日出版され、現代の全国紙の新聞の1週間分の記事(情報)の総数は18世紀に生きていた人が一生涯をかけて手に入れた情報量よりも多いのです。
同時に技術革新もテクノロジーの進歩により拍車が掛かっています。今、現在は新機能を装備した携帯電話、パソコン、デジカメ、車、テレビ、ビデオなどはだいたい2年毎にモデルチェンジしていますが、2010年には2年毎ではなく、技術的には3日毎にそれが可能になると言われています。つまり、今日買ったばかりの携帯電話は明後日にはもう古い型になるし、最新鋭のパソコンを使って習い始めたパソコン教室のパソコンは、1週間もたたないうちに新しいモデルが出現することになります。
良い悪いは別として、子ども達は否が応でもデジタル化された世界で、莫大な情報量の中で生きていかなければならないのです。子ども達はこれまで以上に、刻一刻と変化する社会の中でも、変化に埋もれることなく、自分を見失うことなく生きていく力を身につけなければならないでしょう。そして、そのために私達大人は何をしなければならないでしょうか?ただ、現実に流されているだけでは時として、子ども達は誤った方向に育ってしまいます。
激変する社会状況の中で、実は気になる子どもの姿が増加しています。これは、日本だけの問題ではありません。世界的な問題としてです。気になる子ども達(大人も含めて)の姿は以下のようなものです。
- 落ち着きがない(多動)
- 待てない
- 目が合わない
- 人間関係が構築できない(お友達がなかなかできない)
- 集団生活になじまない
- 表情が乏しい(笑わない)
- ことばが遅い
- いすに座れない(姿勢が悪い)
- 不器用
- すぐキレル
- すぐに手が出る
- 変に馴れ馴れしい
などが挙げられます。
このような誤った姿の子どもに育って欲しいと思う親は一人もいません。誰もが、子どものことを愛おしく思っているでしょう。しかし、愛情だけでは子どもは育ちません。同時に、子どもに対する知識が必要です。変化のスピードが急激な時代だからこそ、子どもに対する知識がこれまで以上に必要になります。そして、モンテッソーリ教育はその子どもに対する知識を私達に教えてくれるのです。
次回は、モンテッソーリが教えてくれる子どもに対する知識についてお話ししてまいります。どうぞ、お楽しみに。
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